こんにちは。
カセットダビング専門店 メモリーアルバム店長の木塚です。
ダビングのお仕事をやっていると、特に多いのがVHSビデオからのダビングのご注文です。
VHSは言わずと知れた、日本が誇る家庭用ホームビデオのスタンダード規格ですが、このVHSテープをたくさん持っておられる方も、まだまだ多いのではないでしょうか?
しかし、このVHSテープを再生できるデッキは、パナソニックやビクターなど日本の有名メーカーでは新商品はもう何年も前から出されていません。
なので、再生したりDVDへダビングする場合は、ヤフオクや中古ショップで買うしか方法がなかったのですね。
でも、専門的な知識がある方ならともかく、あまり関心がない方にとって、ヤフオクなどでVHSデッキを見てもどれがどう良いのかよくわからないという方が多いのではないでしょうか?
また、デッキはメカの部分がありますので、すぐに壊れたりするというリスクもありますね。
修理しようとしても、メーカーに部分がなく修理できない場合も多々ありますしね。
ですので、VHSテープをダビングする最も確実な方法は、新品のデッキを買うのが一番リスクがないんですね。
そうメーカーが考えたのかどうかはわかりませんが、今回久しぶりに新品のVHSデッキが株式会社ドウシシャという会社から販売されました。
ドウシシャと聞いても?と思われるかもしれませんが、かつての有名オーディオメーカー、サンスイを買収した会社になります。
<特徴は?>
簡単な説明はこちらになりますが、
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20131203_626057.html
この説明の中に
「VHSビデオテープの再生や、それらの映像・音声をHDDレコーダやBDレコーダーにダビングする機能を持ち」
とありましたので、どんな機能なんだろうと思っていたのですが、ようやく取扱説明書がサイトにアップされましたので読んでみました(^^)
結果ですが、うーん、それらしい機能の説明の部分はありませんでしたねぇ。
何かダビングに特化した機能があるわけでもないようです(^_^;)
そこで、私なりにダビングする際にこれはあったほうがいいというこの製品の特徴を書いてみましたので、参考にされてみてくださいね。
・S-VHS簡易再生ができる
これは、ダビングをする場合に限らず、あなたがS-VHSという高画質バージョンのVHSデッキで録画したテープをお持ちなら、とても便利な機能になります。
ちょっと専門的になりますが、VHSテープには実は大きく2つのバージョンがあります。
通常画質のスタンダードVHSと、高画質バージョンのS-VHSです。
このS-VHSのSはスーパーのSです。
つまり、S-VHSはVHSの高画質版になるんですね。
このS-VHSは画質がいいのですが、ひとつ困ったことがあります。
それは、S-VHS形式で録画したテープは、S-VHSを再生できるデッキ(簡易再生含む)でしか再生できないのです(^_^;)
ですので、お持ちのS-VHSデッキが壊れたりした場合、S-VHSを再生できるデッキがない場合見れなくなるんですね。残念ながら今では、S-VHSの画質で再生できる新商品はメーカーから出されていません。
ですので、S-VHSを再生するには中古デッキを探すしかないのです。
しかし、このデッキは簡易(これ結構大切なポイントです)S-VHS再生機能が付いていますので、S-VHSも再生できるんです(^^)
ただ、注意点が1つあります。
それは、先程S-VHSは高画質版と書きましたが、このデッキのように簡易再生版の場合は、S-VHS本来の高画質ではなく、通常の画質に落としての再生となる点です。
でも、全く再生できないより、コレクションとして残す目的なら少々画質が落ちても再生できる方がいいですよね。
・テープの頭出しができる
テープの内容全部をダビングする場合はいいのですが、面倒なのが内容の一部だけをダビングする場合ですよね。
その際、CDのように簡単に頭出しができたら、ダビングも楽になりますね。
このデッキでは、テープの頭出し機能が付いていますので、早送りや巻き戻し(最近はリモコンに巻き戻しとは書かれていないようですね)で簡単に頭出しができます。
ただし、録画したテープにインデックス信号という信号が入っていないとできません。
VHSのインデックス信号は基本的にはVISS(VHS Index Search System)という信号を指しますが、説明書には書いてありませんでしたので、このVISS信号を検知するのかどうかははっきりわかりません(^_^;)
また、30秒スキップボタンがリモコンに付いてますので、CMを飛ばすのに便利ですね。
・4ヘッド&ハイファイ音声再生可能
最後になりましたが、この価格のデッキでは画期的な4ヘッドを使用しています。
これも専門的なりますが、テープはヘッドという部品でテープ上に記録されている信号を拾い出します。
このヘッドですが、VHSには標準画質と3倍モード画質の2つが基本的にあります。
3倍モードでは120分テープに3倍、つまり360分の録画ができます。
テープ幅は同じですから、記録する幅を通常画質の1/3の幅で記録しないといけません。
そうしないと3倍録画できないのですね。
この2種類の信号を正確に読み取るためには、記録された信号幅と同じ幅のヘッドで読み取らないといけません。しかし、通常は2種類のヘッドをつけるとコストがあがりますので、両方の信号を1種類のヘッドで妥協しながら読み取っているんです。
ですが、このデッキは2種類の信号を忠実に再生できるよう4つのヘッドを搭載していますので、標準画質・3倍モード画質両方共忠実な再生ができるようになっています。
また、高音質版のHi-Fi記録方式の再生にも対応していますので、昔のアーティストのライブ盤やMTVなどをHi-Fi記録方式で記録していれば音楽番組も綺麗な音で再生、ダビングできます。このように、結構ダビングする際に必要なポイントを抑えているデッキだと思います。
ただ、注意しないといけないのが、再生専用ということです(^^ゞ
VHSに録画したいと思っている場合は、録画はできずあくまで再生専用ですので、これは注意が必要です。
ただ、ダビングするだけだったら再生だけでも十分で、その分安くなっていると思いますので、そういう意味ではダビングに最適ではないでしょうか?
・製品説明はこちら
http://doshisha-av.com/index.php/category/oen/oen02
・取扱説明書(PDF)はこちら
http://doshisha-av.com/wp/wp-content/uploads/2013/11/manual_sansui.pdf