こんにちは。
カセットダビング専門店 メモリーアルバム店長の木塚です。
生録ファンにはとても興味を惹かれそうなガジェットが、ソニーから発表されました。
実に前回の販売から6年ぶりの新商品となる、PCM-D100です。
詳しいスペック等は、ソニーのサイト
http://www.sony.jp/ic-recorder/products/PCM-D100/
をご覧になっていただくとして、私なりに特徴などを説明してみたいと思います。
<製品の特徴は?>
このPCM-D100ですが、いくつかの特記できる特徴があります。
まず、ソニー初めてのDSD(ダイレクトストリームデジタル)形式の録音に対応しています。
DSDと聞いても?と思われる方が多いかと思いますので、簡単に説明してみます。
DSD録音形式とはデジタル録音の方法の一つの形式になります。
デジタル録音といえば、代表的なものにCDがありますが、このCDの音の録音形式はPCM(Pulse Code Modulation)と言われる形式です。
では、DSDとPCMとはどこが違うのでしょうか?
デジタル録音では、音を数字に置き換えて記録しています。
わかりやすく音を文章と思って考えてみましょう。
例えば
「はい」
という言葉を数字で表す方法を考えてみましょう。
よく用いられる方法は、ひらがなを2桁の数字で表す方法です。
あ=1・1
い=1・2
といった具合ですね。
この規則だと「はい」は「6・1 1・2」となり、数字すなわちデジタルで表すことができます。
これが一般的なPCM録音の原理です。
この場合、数字で文字を表しますので、大きな数字、例えば「は」の6などを元の音にするときに、大きな数字に対応した変換能力が必要となります。
一方DSDは数字を単純に0か1かで表し、その数の多さで表します。
例えば、先ほどの6という数字を、110110という風に、たった2種類の数字だけで表します。
そうすることで、大きな数字を変換能力が必要でなくなり、また、単純な数字だけなので変換ミスも減ります。
これが、DSDが音がいい理由なのです。
もう少し専門的に言いますと、PCMがビットという数字の量で音を表現するのに対して、DSDはパルスという濃淡で音を表現するのです。
次の特徴ですが、アナログの音をデジタルに変換する装置であるAD(アナロク→デジタル)コンバーターはDSD用に左右2チャンネル、PCM用に同じく2チャンネル装備しています。
それぞれ独立していますので、音がそれだけ忠実に記録できるのですね。
例を上げますと、車でいえば、前の2つのタイヤのみ駆動する2WDと前後4つのタイヤが全部駆動する4WDの車の違いに近いかと思います。
雪道などの悪路では、2WDより4WDの方がより安定した走行ができるイメージだと思ってください。
これ以外でも、リニア PCM 録音しながら同時に MP3 形式でも保存できる「デュアル録音」機能や、左右独立の調整ボリューム、MDのように録音したデータのカット、コンバイン(結合)などもできます。
そして、何よりその出で立ちが、いかにもソニーらしい録音機という素敵なデザインだと思います。
生録といえば、デンスケという世代にも受け入れやすいレコーダーではないでしょうか?
追記:
その後、簡易型のモデルも販売されたようですね。