こんにちは。
カセットダビング専門店 メモリーアルバム店長の木塚です。
GWもあっという間に終わってしまいましたね。
佐賀はGWの殆どがいい天気でしたので、皆さんいろいろなところに出かけられたのではないでしょうか?
さて、楽しかったGWの後は、再びカセット基礎知識講座の再開です(^^)
今回のテーマは、
「カセットテープについているツメって?」
になります。
ツメと言っても、指についている爪ではありませんので安心してください^^;
カセットテープのケースをよく見るとこんな感じで、上の方の両方に四角い部分があります。
これを、業界用語で「カセットテープのツメ」と言うんですね。
では、なぜこんなツメがあるのでしょうか?
デザインのようでもありますが、この部分は普段は殆ど見えないですし、この部分を作るとなると、確実に製造コストが上がりますので、やはり何か意味があるようです。
このツメは、実は誤消去防止のためのものなんですね。
カセットテープは、物理的に壊れない限り、何回でも上書きで録音ができる優れものです(^^)
でも、この何回も上書き録音できるということは諸刃の剣でもあるんですね。
そうです。
カセットデッキの操作を誤ったり、ブランクテープだと勘違いしたりして、大切な録音済みのカセットテープを誤って、上書き消去してしまう恐れがあるんですね。
そこで、このツメが役に立つんです。
このカセットテープ上部のツメをこんな感じで折ることで、誤ってカセットデッキの録音ボタンを押しても録音ができないようにすることができるんです。
下の写真のように、正面から向かって左の上のツメがその面の誤消去防止ツメになります。
必ず消したくない面の左上のツメを折ってくださいね。
では、一度ツメを折ったら、二度と録音ができなくなるのでしょうか?
そんなことはありません。安心してください。
折ったツメをセロハンテープなどで、再び覆えばまた録音することができますよ。
当店へのダビングでのお客様のカセットにも、たまにセロハンテープがついたものがあります。
もちろん誤って大切な音源を消したりしないように、丁寧に剥がしてダビングします。
ただ、このセロハンテープなどで覆うのもちょっと欠点がありまして、セロハンテープは年数が経つと、糊の部分がテープの周りに出てきてべたつくんですね。
また、剥がした後もついて、お高いカセットなどでは、一気に興ざめすることがあります。
店長が知っている限りでは、TDKのMA-Rシリーズのみが、何回も使えるツメになっていました。
こんな感じで、ツメの部分の向きを入れ替えることで、セロハンテープを貼らずに何度でも録音する状態にできました。
このMA-Rシリーズは、カセットハーフが亜鉛ダイキャストで作られていて、とても高級感があるテープなんですね。
なので、セロハンテープで覆うのはなんとも興ざめなので、この仕組にしたそうです。
よく、MA-Rの解説にカセットハーフはアルミダイキャストと書いてあるのがありますが、実はこの「カセットテープ コンプリートブック」によりますと、「亜鉛ダイキャスト」だそうです。
店長も実は知りませんでした^^;
この本には、それ以外にもMA-Rの開発秘話などが載っていて、マニアには読み応えがある本だと思います。